「染匠あめや藤本」のものづくり
四季折々に移り変わる和の情緒を、鮮やかに映す茶の心。
茶人でもある染織作家、藤本最慶が、茶の湯の精神を染めに託して描き上げた一期一会の心が息づく調和の美…
染匠あめや藤本の「ものづくりのこころ」は、茶の湯のこころにあります。
美意延年(びいえんねん)とは「心をなごませたのしませて寿命をのばすこと」(広辞苑)。この言葉は、中国戦国時代の儒教者「旬子」の言葉。諱(いみな)は「況」、字(あざな)は「卿」。五十歳にして初めて斉に遊学し、襄王に仕え祭酒(学長職)になりました。
古来、中国において制作された様々な染織品は大自然を敬い、紙を怖れ身を守る為に作られ、それらの意匠は時代を経ることにより地位や身分を象徴する物に変化してきたものです。これらの染織品は日本に渡来して以降、様々な文様が加味され現代に引き継がれてきております。
私どもの工房では、身に纏う方の幸福・繁栄を願い、「美意延年」を生地に織り込む思いで日々創作しております。
喫茶去(きっさこ)とは「お抹茶一服いかがですか」という言葉です。
お茶席では大変よくつかわれる言葉です。お茶の飲み方など分からない方にも「さぁさあ、お茶をどうぞ」という意味です。大切なのは、美味しいお茶を気楽に楽しくさし上げて飲んでいただくことです。そこに一期一会の出会いを楽しむ空間を創造する心があります。茶道はもてなしの心です。
お茶を飲みにきてくださるあなたに、楽しいゆったりとした時間をすごしていただくことが大切なのだと思います。